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周防監督の手紙


 『われらリフター』の新聞書評「この作品を映画化すると面白いのでは、としきりに思った。“シコふんじゃった”のリフター版。(北海道新聞1993.4.15中澤千磨夫氏評)」という言葉に意を強くし、厚顔にも「シコふんじゃった。」の映画監督・周防正行氏に、拙著をお送りしたところ、丁重なお手紙をいただきました。

 文面は、『われらリフター』を一気に読み、とても面白かった、と感想を述べたあと、「実際に肉体が鍛えられてゆく過程を見せなければならないところが、日本では映画にしにくいかなと思います。日本映画の場合、お金と時間がかかることは嫌われます。特に役者さんを長期間拘束するのと、大幅な肉体的変化を要求するのは大変です」とのことでした。期待していなかったけど、残念。
 そして自著『シコふんじゃった。』を同封贈呈いただき、映画のほかに、監督ご本人がこの作品の小説バージョンも発表していたことを初めて知りました。さっそく拝読するや、その文体の軽さ、ストーリー展開の楽しさ、映画よりも面白い――といったら、本職が映画監督、気をわるくするかもしれませんが、そんな形容がしたくなるほどの面白さです。まだ読んでいない方、ぜひご一読をおすすめします。

シコふんじゃった。太田出版刊
シコふんじゃった。太田出版

 周防監督はその後、映画「Shall we ダンス?」で日本アカデミー賞の各部門最優秀賞をすべて独占受賞され、もはや手の届かない超有名人になられましたが、この直筆の手紙と寄贈本は私の手元にあり、映画ファンの友人たちに見せびらかして、うらやましがらせている次第です。



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